DAY2 タイ。
いきなりトラブルに巻き込まれながらも、無事ソンブーンに到着。
ちょっと高級そうな雰囲気。
席に案内されて、メニューを見る。
カニが有名みたいなので、カニの料理「プーパッポンカリー」とトムヤンクンを注文する。
僕の目の前のテーブルには、いい感じに酔っぱらった日本人男性が2人。
年齢は65~70歳くらいだろうか。
その2人の周りに、お店のスタッフが6人くらい群がっている。
みんな笑顔でとても楽しそう。
「常連の日本人かな?」
定期的に「わ~!!」と盛り上がる。
何が起きてるんやろ??
よく見ると、その初老の男性たちが、スタッフにお金を渡している。
それを見たほかの女性スタッフが、私も欲しいな~アピールをする。
すると、初老ツインズは
「仕方ないな~」
といった感じでニヤニヤしながらチップを渡す。
で、「わ~~~!!!」となる。
それを何度も何度も繰り返している。
他にお客さんもいるのに、お構いなし。
「いやいや、キャバクラか・・・」
お金を渡す側も、もらう側も気持ちがいいかもしれないけど、周りから見ると、とても薄っぺらいやり取りが延々と繰り返されている。
「お金をばらまいて喜ばせる日本人。その周りにはお金で喜ぶタイ人。なんか同じ日本人として恥ずかし・・・」
そんな気持ちで、頬杖を突きながらぼーっと見ていた。
そこに満面の笑みの男性ウェイター。
20歳くらいだろうか。とりあえず、ここではブアカーオくん(仮名)としておこう。
とにかく愛想がいい。
でも何故か違和感を感じる。
「なんか、不自然やな~、チップが欲しいのかな」
周りのスタッフもこちらを見てクスクスと笑っている。
おそらくこんな会話かと思う。
「ブアカーオ、あの日本人にロックオンしてるわ。どうなることかしらね!お金なさそうやし。オッホッホ~!!」
他のスタッフは相変わらず、初老ジャパニーズ達に夢中。
しかし、ブアカーオはこちらに、これでもかと満面の笑みで接客をしてくれる。
その笑顔を見ていると、色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしくなってきた。
「この子は、心から笑顔で接客をしてくれてるだけなのに、チップが欲しいからだろ?みたいに見てたわ。反省しよ」
よし、感謝の気持ちをチップで表そう。
俺のチップには「感謝の心」がある。
純粋な気持ちのお金だ。
あのおじいたちとは違う。
よし、チップを渡そう。
ポケットから小銭を取り出し、ブアカーオにありがとうの言葉と共にチップを渡した。
これこそ、真のチップ。
お金ではなく、気持ちが大事なんだよ。
ちゃんと見てるかい?初老ジャパニーズ達。
なぁ、俺たちは今、心で繋がってるもんなブアカーオ・・・
ん?
ブアカーオ??
どうしたブアカーオ、さっきまであんなに笑顔だったじゃないか?
おなかでも痛いのか?
どうした?
周りのスタッフはこちらを見て笑っている。
じーざす
なんと、僕は100バーツと10バーツを間違えて渡してしまったのだ。
その後、二度とブアカーオは来なかった。
なんじゃい!タイ!!
結局金かい!!
さて、食事はというと、味を表現するのは苦手なので、伝わりにくいかもしれないので先に謝っておこうかな。
ごめんなさい。
カニの料理「プーパッポンカリー」は、甘辛いチリソース?タイソース?にカニ一匹が入っている。
その殻を、でっかいハサミみたいな道具で潰しながら身を取り出して食べていく。
ソースの甘辛さとカニが相性ばっちりなので、食べ始めると止まらない。
純ちゃんも来るだけはある。
うまい。
以上です。

撮るのを忘れて大慌てで撮影。
値段はちょっと忘れてしまったけど、料理にビールを二杯プラスで、1000バーツくらいだったと思う。日本円で3、4000円位?
そして、お会計の時だ。
ここで名誉を挽回したい。という、しょうもないプライドと共に店員を呼ぶ。
「ちぇっく ぷり~~~ず」
なんと、ブアカーオが担当だ。
しょうもないプライドを満たすために、クールな作り笑顔でお釣りを全てブアカーオに渡して颯爽と店を出た。
店の外まで見送ってくれる満面の笑みのブアカーオ。
その視線を感じながら、颯爽と夜の街へ消えていく僕。
10バーツを渡した男とは別人のようで良い感じだ。
しかし、出る方向を間違えていたことに2秒で気づく。
振り返る僕。
「出る方向間違えても~た笑 テヘッ」
さ、夜の街に行こう。