DAY2 9月30日 タイ。
今日からの宿は、いわゆるペントハウス。
荷物を整理していたら、夕方になっていた。
という事で、食事も兼ねて夜の街へ探検に行くことにした。
スマホで、おいしいタイ料理店、マッサージ屋さん、ナイトマーケットなどを調べてみる。
「ん~~、どれにしたらいいのか悩む」
悩んだ結果、「ソンブーン」というカニがおいしいと有名なお店に行くことに。
決め手は、「小泉元総理大臣も来たことがある」という点だ。
純ちゃんが行くくらいなら、間違いないだろう。
という事で、アパートを出てしばし歩く。
移動はどうしようか?
ソンブーンまでは、いくつかの選択肢がある。
① 地下鉄
まだ乗り方もわからないし、時間がかかる。腹減った。
② タクシー
ぼったくりに気を付ければ、一番楽。
③ トゥクトゥク
手軽で良いけど、ぼったクラレそうで不安。
こんな時、一人旅で、海外にも慣れていないおっさんは、お金がかかっても楽で安全な方を選ぶ。
「よし、タクシーにしよ」
タイの公営タクシーは黄色が目印。
比較的ぼったくりも少なく安全らしい。
なので、黄色のタクシーを止めて、ソンブーンまで行ってくれと伝える。
怪訝そうに地図を見ながら、ちょっとわからんな~みたいな顔をしている。
「この運転手、大丈夫かいな・・・」
運転手は首をかしげながらスタートした。
スタートからいきなりの爆走。
運転がとにかく荒い荒い。
ぶんぶん飛ばす。
あげくには、思いっきりクラクションならしながら割り込み。
で、割り込まれたほうの車が後ろからクラクションを鳴らしまくっている。
タイではこれが普通なのか?
みんなクラクションは鳴らすけど、喧嘩にはならへんのやな~
合図みたいなもんなんかな?
なんて、思っていると後ろの車が猛スピードで追い抜いたかと思うと、前に出て急ブレーキで止まる。
嫌な予感・・・
予感はすぐに的中した。
ドアが開き、中から推定、身長190㎝、体重110キロのスーパーこわもてギャングみたいな男がゆっくり降りてきた。
声を荒げるでもなく、ゆっくりとゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
ぱっと、運転手を見た。
さっきまで、あれだけ僕や街ほかの車にイキがっていた運転手は、高速で手を擦り合わせながら、全力で謝っている。
「なんやねん、このヘタレは・・・」
心の中で思っていると、こわもては窓をたたいて出て来いアピール。
とばっちりを食いたくないので、無表情で前を見る僕。
すると、言葉はわからんが、この運転手、僕の方を指さして何か言ってるではないか!!
どうも、俺のせいにしているらしい。
「こんの、ぼけ・・・、俺がしばいたろか・・・」
こわもてはこちらをにらみ、窓をたたいてくる。
ここでビビったらあかん。
僕は、無表情で言った
「what`s? I don`t know.」
通じたようだ
こわもては再びドライバーに詰め寄る。
ドライバーは、今にも泣きだしそうな顔で、手を更に高速でこすり合わせて謝っている。
こわもても、気が済んだのか、ゆっくりと車に戻っていった。
運転手は、てへっ、みたいな顔でこちらを見て再び走り出した。
そう、次は超安全運転で。
無事、ソンブーン到着。